竹垣作りのコツ その2

今回は「竹垣作りのコツ」の2回目です。竹の選び方、竹を割る押縁(おしぶち)や割竹(わりだけ)を中心に話をすすめます。とにかく「習うより慣れろ」です。
※前回の「竹垣作りのコツ その1」をご覧になっていない方は下記リンクよりご参照ください。

目次
竹の切り出し方
材料の竹を切る時期は、水を上げない11月から1月までとされていますが、これも一概には言えません。暖かい年は、時期がずれます。一般的には、霜が降りてから水揚げが止まるといわれています。
また、田んぼの際など水の近い場所は竹の色は綺麗ですが、長持ちしないようです。これも、加工の仕方により異なります。
尚、正月の門松や化粧飾りでは新子(にいこ)でもかまいませんが、竹垣は3~4年の竹を目安に切り出します。夏場の時期の良くないときには、5~6年目を切り出します。
年数の基準として、竹林内で新しい竹が出たら、根元に油性マジックでその年を書くか、色違いのテープ等で印をつけます。
竹の割り方(建仁寺垣の押縁の例)
根元から切った竹は、下から三節切ります。
どこにどの竹を使うか選びます。
どの面が真っ直ぐか見通します。
足で押さえながら、真っ直ぐナタを入れることが重要です。
厚みのある方を上にして、足で押さえ先の左手を下に押し、手前の右手を上に上げます。
何度も確認しながら、割ってゆきます。
割った竹は、元から削ります。
芽割り
笠竹(かさだけ)は、芽割り(めわり)と言って天端(てんば)にかぶせた時に真っ直ぐ見えるように割ります。また、内側が天端の押縁(おしぶち)にあたるので加工します。
側面をカンナで削ります。押縁とのあたり面を薄くすると綺麗に見えます。
組子や枝折戸に使う竹割を使った例
写真のみとなりますが、ご理解できると思います。
竹害について
現在「竹害」と言って荒れ放題の竹林が増えています。千葉県も森林に占める竹林の割合が多い県となります。竹害の理由としては竹製品の需要が減ったこと、たけのこや竹製品が海外より安価で大量に輸入されるようになったことに起因されます。また生産者や竹林所有者の高齢化により竹林が放置されていることもあります。
竹は(特に孟宗竹)生命力が強いため、周辺の樹木林等に侵食してどんどん荒れた竹林が増えているようです。竹林の整備とともに、伐採した竹の再利用についても地域住民との提携・協力が必要かと思います。この話題はまた改めてお話しできればと思っております。
続きの「竹垣づくりのコツ その3 」 はこちらからご覧ください。
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