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日本庭園(枯山水・石庭)の作り方 その2

方丈島全景

①方丈島

十川日本庭園研究室です。
今回はその1に続きまして、「蓬莱神仙思想の庭 三六九庭」の「方丈島」の製作過程からご紹介させていただきます。


「日本庭園(枯山水・石庭)の作り方 その1」をお読みになっていない方はこちらからどうぞ。


「蓬莱神仙思想の庭 三六九庭」の概略ご紹介はこちらのページからどうぞ。

②立石・石橋周り

それでは工法の説明に移ります。前回同様、カマセ石を打ち込みます。一石の場合、軟弱地盤では当初動いても今日より明日、五年後より十年後に強度が増すので動かなくなります。この立石は3か月後から動かなくなりました。

橋挟石(はしばさみいし)を仮置きして、バランスを確認します。

石橋の搬入、狭い場所ほど大きい石を据えます。

石橋を水平にしてバランスを何度も確認します。

下部は微調整が出来るように砕石をいれて、台石(だいいし)を据えます。

石橋を吊り上げたまま台石との合端(あいば)を調整して、カマセ石を打ち込みます。

反対側も同様に、石橋との合端を良くします

大小の石と高低差などのバランスを確認しながら、橋挟石を据え付け、石橋を固定します。

橋挟石は、全て石橋にもたれかかるように据え付けます。合端の良くない所は加工します。

③亀頭石・岩島(がんとう)・舟石(ふないし)

亀頭石(きとうせき)となる小ぶりの斜立石は、大きめのカマセ石で固定します

主石周りに小ぶりな石を据え、強度を上げます。

砕石で突き固めます。

遠近法の岩島を据え付けます。

舟石を据え付けますが、最後にバランスを確認するため動くようにカマセ石を工夫します。

ちょっと一息、レジャーランド作成中。

④植栽

植栽はその環境になじませるため、数十年先を見込んで若木を植え付けます。また、高く植えることで後で根周りが雨に洗われ根張りが出てきます。

支柱をかけます。

今回はこちらで終了です。次回の「日本庭園の作り方 その3」は水琴窟と筧周りの製作となります。

続きは以下のリンクからもご覧いただけます。

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代表・作庭家紹介

十川日本庭園研究室 十川洋明

十川 洋明(トカワ ヨウメイ)

17歳で庭の世界へ飛び込み、その素晴らしさに魅了されました。造園会社数社で修行を積み、1996年に「作庭処 彌右エ門」(現 十川日本庭園研究室)として独立。以来、個人邸の作庭工事を手がけながら、古庭園に興味を持ち京都を初め全国の庭園を見てまわり研鑽を積んでいます。千葉県山武市在住。

 

<主な経歴>
1998年 重森三玲記念館庭園施工
1999年 靖國神社神池整備工事参加
2001年 靖國神社苑内常駐管理責任者
2004年 中国蘇州市に日本庭園施工

 

通常業務以外に日本庭園の古式工法の検証及び技術指導・講演も行っております。詳しく公開されることがなかった技術を、様々な方々にご提供できればと考えております。ご質問・ご相談等、お気軽にメールにてお問合せください。

 

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