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桂垣(かつらがき)の作り方

桂垣の作り方

十川日本庭園研究室です。
今回は桂垣の紹介です。裏側が建仁寺垣(けんにんじがき)の基本的な事柄なので、ご存じの方も多いかと思います。桂穂垣(かつらほがき)の工法も様々で、裏のアンコと呼ばれる穂(ほ)を縦にする方法や、枝の揃え方に個人的な好みがありますが、今回は一般的な工法をご紹介いたします。
桂穂垣の工法は複雑ですが、四ツ目垣や建仁寺垣のようなシンプルな垣根と違い技術の善し悪しが判りづらい垣根です。特に四ツ目垣などは、竹の太さや割間のバランス等が様々なので技術が判ります。しかし、竹穂垣(たけほがき)は手間がかかりますが、違いはあまり判りません。
施工は、若い時分に研究材料としてほとんど一人で行いました。10年以上前の施工ですので現在は工法が異なります。ご了承ください。また、手間を気にせずに山に竹を切りに行けば費用は掛かりませんので、当ウエブサイトにアクセスされる情熱のある皆さんの参考になれば幸いです。竹藪をキレイにすると共に挑戦して行きましょう。

参考四ツ目垣の作り方

参考建仁寺垣の作り方

①部材の準備

竹穂は孟宗竹(もうそうだけ)の枝を使います。

黒ずみがある場合、中性洗剤とシンチュウブラシで洗います。

洗った枝の状態です

小枝をさばいた状態です。

さばいた竹穂を下地にします。

現場、材料の状況です。

②建仁寺垣(裏面)の製作

先ず柱を平行に立込み、中太竹(ちゅうふとだけ)の四つ割を胴縁(どうぶち)として取り付け、建仁寺垣を作ります。裏側の建仁寺垣は麻ひもで立子(たてこ)をかき付けます。サゲフリやレーザーレベルを使うと便利です。

立子は曲がりと節に注意しながら、かき付けて行きます。

立子が終わりました。

押縁(おしぶち)をヒモで吊るして取り付けます。

押縁を斜め切りして、柱とのアタリを良くします。

目に近い場所なので上段に良い竹を使います。

笠竹(かさだけ)は押縁とのあたりが良くなるように、白い肉部分を削り加工します。

押縁と笠竹の玉縁(たまぶち)が終わりました。

棕櫚縄(しゅろなわ)で結束(けっそく)します。結束箇所はあまり多くないほうがキレイです。

玉縁結び(たまぶちむすび)です。地方では利休結びともいわれています。ねじりを高くし過ぎず、棕櫚縄を長く垂らさないのが私の好みです。

裏側の建仁寺垣の完成。

③表面の製作

竹穂は市松(いちまつ)ですから、等間隔に針金を通します。

細竹を割り,裏のシノビに使います。

下地の竹穂を差し込みます。押さえは針金で調整します。

今回は右側に建物があるので、左から差し込みます。

表面に節をそろえて加工した枝を差し込みます。レーザーレベルを使うと便利です。

市松模様ですので次の段は枝先を使い、その上に枝元を使います。

順次、竹穂と枝を差し込んで行きます。

裏側に穂先を足してゆきます。

裏側が透けないように注意しながら穂を挿します。

市松模様になるように、太さのバランスに注意します。

枝のバランスを調整しながら、徐々にシノビを針金で絞めて行きます。

側面から見た、裏と竹穂の状態です。

シノビの上から中の節を抜いた押縁(おしぶち)を取り付けます。

縁石(えんせき)部分を加工します。

銅線で止めます。

天端(てんば)は横ぶれしないように、ビス止めします。竹どうしはビスで止まります。

側面は柱が見えないように割竹を巻きます。

建仁寺垣の天端が見えないように、太竹(ふとだけ)で横押縁を取り付けます。

④仕上げ・完成

棕櫚縄(しゅろなわ)でビスを隠して完成です。
銅線とビスで止めているので、今回の結束はあくまで化粧です。

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十川 洋明(トカワ ヨウメイ)

17歳で庭の世界へ飛び込み、その素晴らしさに魅了されました。造園会社数社で修行を積み、1996年に「作庭処 彌右エ門」(現 十川日本庭園研究室)として独立。以来、個人邸の作庭工事を手がけながら、古庭園に興味を持ち京都を初め全国の庭園を見てまわり研鑽を積んでいます。千葉県山武市在住。

 

<主な経歴>
1998年 重森三玲記念館庭園施工
1999年 靖國神社神池整備工事参加
2001年 靖國神社苑内常駐管理責任者
2004年 中国蘇州市に日本庭園施工

 

通常業務以外に日本庭園の古式工法の検証及び技術指導・講演も行っております。詳しく公開されることがなかった技術を、様々な方々にご提供できればと考えております。ご質問・ご相談等、お気軽にメールにてお問合せください。

 

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