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建仁寺垣(けんにんじがき)の作り方 その2

建仁寺垣全体図

十川日本庭園研究室です。
「竹藪をキレイにしよう」計画。今回「建仁寺垣(けんにんじがき)の作り方 その2」は、竹の交換を容易にするために木の柱の代わりに単幹パイプを用いた作例です。また、押縁(おしぶち)の掛け方にコツがありますのでご参照ください。

現場は、立子(たてこ)の隙間を少なくするために、使用する割竹(わりだけ)は、竹屋さんが機械で加工したものを用います。また、割竹以外は山で切り出した竹を使用することで、裏側のパイプ隠しにひと手間かける事が出来ました。

大切なのは、竹藪をキレイにするために手間ひま惜しまず竹林に足を運ぶことです。現在は、雇用や人件費の問題がありますので天然素材を使う機会が減りましたが、本物の竹は見ていて気持ちが良いものです。今後、竹藪が整備され、良い竹垣が流行するようになれば幸いです。

参考建仁寺垣の作り方(その1)


①土台の制作

レーザーレベルを使い、単幹パイプを平行に立て込みますが、あまり機械に頼るとくるうことがありますので注意してください。結論から言うと自分の眼が一番正確と言えます。また、ブロックがあるので、垣根がおおむね仕上がり、調整後に強度を上げるため下部にモルタルを打ちます。

あらかじめ垂木(たるき)に防腐剤を塗り、「垂木止めクランプ」にビス止めします。割間(わりま)は私の好みで一般的に京風と呼ばれる太竹(ふとだけ)の押縁(おしぶち)四段です。

パイプの上に出た部分は鉄鋼用のサンダーで切りそろえます。高さのある垣根の場合、木の柱も同様に立込み後に切りそろえます。

下げ振り、またはレーザーレベルで、印(しるし)をつけます。

節に気を付けながら、上下に一枚ずつ立子となる割竹をドリルで穴を開け、ビスで止めます。

②立子(たてこ)の設置

下端(したば)は節が揃わないように合わせて先に切り戻しておきます。

立子の天端(てんば)を切りそろえます。

側面から見た状態です。

浮いた場所は、下端に垂木を仮止めし、立子を固定します。垂木は後から外します。

端は竹でパイプを隠すために縦に垂木を足します。

立子が終わりました。

機械で切りそろえた割竹は、幅と厚みが同じなので綺麗に仕上がります。

③裏面の加工

裏側に防腐剤を塗ります。本来は竹が色変わりした頃か、製作後一年程経過した頃が良いとされています。

裏側のパイプ隠しのため、中の節を抜いた二つ割りの竹を立て込みます。始めは針金で仮止めをしておきます。

調整しながら銅線で止め、仮止めの針金を外してから上部をビス止めします。

④押縁掛け

続いて、押縁をかけます。竹の割り方は下記を参考にしてください。

参考竹垣づくりのコツ(その2)

今回は、太竹の押縁なので両端が元で、中央を末末(すえすえ)※竹の先端方向部分 で合わせて繋ぎます。端は玄関側の見える所を節止めしますので、反対側は節止めになりません。

次に割った同じ竹を同じ太さの部分で、節に合わせて切ります。

ドリルで穴を開けます。

竹の曲がりやゆがみを調整しながらビスで止めます。

割った同じ竹を使うとつなぎ目がわかりません。ビスの頭は黒の油性ペンで塗ると目立たなくなります。

⑤仕上げ・完成

天端に芽割りした笠竹(かさだけ)をかけて玉縁(たまぶち)になります。

完成です。天端の笠竹と目の高さに真っ直ぐな押縁をかけると綺麗に見えます。

今回は立子に隙間がないため、棕櫚縄(しゅろなわ)での結束(けっそく)はしません。

割竹の巻柱(まきばしら)

側面から見た裏側

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十川 洋明(トカワ ヨウメイ)

17歳で庭の世界へ飛び込み、その素晴らしさに魅了されました。造園会社数社で修行を積み、1996年に「作庭処 彌右エ門」(現 十川日本庭園研究室)として独立。以来、個人邸の作庭工事を手がけながら、古庭園に興味を持ち京都を初め全国の庭園を見てまわり研鑽を積んでいます。千葉県山武市在住。

 

<主な経歴>
1998年 重森三玲記念館庭園施工
1999年 靖國神社神池整備工事参加
2001年 靖國神社苑内常駐管理責任者
2004年 中国蘇州市に日本庭園施工

 

通常業務以外に日本庭園の古式工法の検証及び技術指導・講演も行っております。詳しく公開されることがなかった技術を、様々な方々にご提供できればと考えております。ご質問・ご相談等、お気軽にメールにてお問合せください。

 

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