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竹垣の作り方(竹垣交換・創作垣)〜日本庭園(枯山水・石庭)の作り方 その6〜

創作垣

十川日本庭園研究室です。
三六九庭の初回工事の様子を5話にわたってご紹介させていただきました。今回はその工事からしばらく経ったので、一部の竹垣交換についてご紹介致します。下記リンク(その1〜その5)の続編となります。

日本庭園(枯山水・石庭)の作り方 その1〜その5をお読みになっていない方はこちらからどうぞ。

この庭は新緑や花の美しさではなく、竹垣のデザインを変えるなど、人の手で造る芸術性と生活空間に重きを置いています。

その一貫として、一部の竹垣を交換をすることにしました。また、今回の作業は、材料の無駄を無くすことにも意識し、全て余った材料を使用した工法となります。これまで私自身も捨てていたような廃材で最高の作品を作れるよう、試行錯誤を行いながら製作にあたりました。更に現場での作業時間を短縮すること、設置を容易にするためコンパネを用いた作業内容となります。

従来の竹垣は、遠近法を使った割竹の市松垣でした。今回も様式は同じですが、若い頃から憧れていた桂穂垣の竹穂を用いた施工方法を取り入れました。製作する竹穂は周りのスタッフの提案で、三枚ともデザインが異なったことで、面白い作品になったと思いますので、皆様の今後の参考になれば幸いです。

①部材の準備

時期の良い時に払った真竹の竹穂です。

中性洗剤で洗います。
注意中性洗剤で洗うことで長持ちしなくなりますが、当室では「竹藪をキレイにする計画」に基づき、敢えて行っています。

コンパネの幅を整えます。チョークラインで墨打ちし、丸ノコで切ります。

杉皮、割竹を仮置きします。自邸の三六九庭のための竹垣ですので、割竹は一マス三本を半分ずつ使用し、全体で六マスです。

参考

杉皮も目地が揃わないようにします。

割竹を作ります。今回は、同じ竹で全て節を揃えます。

参考 竹の割り方

切り出した竹の割り方については下記リンクでご確認ください。

並べて全体のバランスを見ます。

一本ずつでは見た目が単調になるので、半割ごとに上下で並べ変えます。

②下地部分(杉皮・割竹)の製作

木工用ボンドを塗ります。※最近は優れたボンドがありますが、後で剥がせる方が良いでしょう。

板をあてて、膨らんだ部分をビスで仮止めします。

杉皮を小さめの内装ビスで直接止めます。

膨らみを抑えた状態です。

隙間に注意して端からビスで止めます。

両側を止めた後、割竹の余った部分を切ります。割竹は節のバランスが良くなるように長めに取り付け、後で切ります。チョークラインで印をします。

割竹の端を切り落とします。

コンパネ裏側に飛び出したビスの先端をサンダーで削り落とします。

竹垣の下地に正確に合わせるため、杉皮と割竹の側面をカンナで削っておきます。

③竹穂の貼付け

竹穂の裏に「あそび」を三本入れます。裏に「あそび」を入れることで、見る角度により、透けて見えます。

竹穂の一節目をそろえるため、メジャーで測りカルコで水糸を取り付けます。

左側一枚目は、編みこんだ枝を同じ向きに節を揃えてビス止めします。

参考  桂垣の作り方

桂垣の作り方は下記リンクよりご覧になれます。

不要枝を払い、小枝を整えます。

下地が終わりました。

立込んでバランスを確認します。

右側二枚目は、竹穂の片方の小枝を払い、節を揃えたデザインです。

メジャーで測りビス止めします。

端を切りそろえます。

中央三枚目は、曲がった枝で裏に「あそび」を入れます。

最後の竹穂は、小枝をすべて払ったものを交互に三本ずつ取り付けます。こうすることで、無駄な材料が無くなります。

今回はこちらで、終了となります。次回は杉皮垣押縁の製作となります。下記リンクよりどうぞ。

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代表・作庭家紹介

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十川 洋明(トカワ ヨウメイ)

17歳で庭の世界へ飛び込み、その素晴らしさに魅了されました。造園会社数社で修行を積み、1996年に「作庭処 彌右エ門」(現 十川日本庭園研究室)として独立。以来、個人邸の作庭工事を手がけながら、古庭園に興味を持ち京都を初め全国の庭園を見てまわり研鑽を積んでいます。千葉県山武市在住。

 

<主な経歴>
1998年 重森三玲記念館庭園施工
1999年 靖國神社神池整備工事参加
2001年 靖國神社苑内常駐管理責任者
2004年 中国蘇州市に日本庭園施工

 

通常業務以外に日本庭園の古式工法の検証及び技術指導・講演も行っております。詳しく公開されることがなかった技術を、様々な方々にご提供できればと考えております。ご質問・ご相談等、お気軽にメールにてお問合せください。

 

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