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竹垣の作り方と苔貼り 〜日本庭園(枯山水・石庭)の作り方 その4〜

文字垣

【蓬莱神仙思想の庭】

用語集:蓬莱神仙思想  タップ又はクリックすると説明が読めます。
蓬莱島・蓬莱山ともいう。中国の神仙思想で、方丈・瀛洲とともに三神仙島とされた。東海のなかにあって神仙が住み、不老不死の地と考えられた仮想の海島で、巨大な亀の背中に載った島との解釈もあった。

中国では、紀元前2世紀に前漢の武帝が太液池に蓬莱をはじめとした神仙島を築いたことが『漢書』に見え、さらに6~7世紀に築造された唐の大明宮の太液池でも蓬莱島が築かれるなど、中国の皇帝庭園ではきわめて重要な要素であった。

神仙思想は日本には百済などを通じて飛鳥時代に伝えられ、飛鳥京都跡苑池遺構の南池の島などは、蓬莱をモチーフとしていた可能性がある。奈良・平安時代にも、園池の島が、蓬莱などの表現を意図したものであることも少なくなかったと見られ、平安後期の鳥羽離宮庭園の園池については「或いは蒼海を模して島を作り、或いは蓬山を写して巌を畳む」(『扶桑略記』)といった表現が見られる。

それ以降も園池の島を蓬莱と見立てる風潮が続き、江戸時代には多くの園池で蓬莱島が築かれることになる。蓬莱が海中の島であることに鑑み、橋を架けないことを原則としたが、回遊などの便宣上架橋されることも少なくなかった。また、マツを植えるのが通例で、蓬莱と亀の関係から、亀島との習合も見られる。


日本庭園(枯山水・石庭)の作り方 その1、その2、その3をお読みになっていない方はこちらからどうぞ。

十川日本庭園研究室です。
今回は日本庭園(枯山水・石庭)の作り方その4として、苔貼り、そして創作垣(文字垣)の製作過程をご紹介させていただきます。皆様の今後の庭づくりの参考になれば幸いです。

①苔貼り

地固めをして、山からとった地元のコケを貼ります。コケはその環境に合わないものは枯れますが、どんな種類のコケもその場所で繁殖したものは枯れません。また、コケは米のとぎ汁で増やせます。先ずは、盛り土をして地固めをします。

関東ローム層の赤土なので、地鏝(じごて)を使い良くたたき締め、徐々に貼ってゆきます。

しっかり叩くと照りが出ます。

②文字垣の製作 土台作り

竹垣は後で交換できるように最後に作ります。先に作る方が全体の作業は容易ですが、後の交換が大変ですのでご注意を。竹垣用のコンパネに防腐剤を塗ります。

今回は竹垣を頻繁に交換することを予定しておりますので、メンテナンス性に考慮し、単幹パイプと垂木で枠組みします。風を直接受ける場所なので、間隔は約1メートルで、基礎にコンクリートを打ちます。

コンパネをビスで張り付けます。隣に家や道路がある時は両面にします。(今回は内側の片面のみ)また、ゴミが溜まらないように隅に風抜きを設けます。

コンパネの張り付けが完了しました。

③文字垣の製作 竹材の貼付け

山で切った割竹を張り付けます。

竹の切り出し方、割り方は下記の記事をご参照ください。

平行線がないように順次、張り付けてゆきます。

一か所だけ落ち葉が溜まる所に杉皮の「あそび」を入れます。ここには後で万両を植え付けました。

割竹の張り付けが完了しました。

組子の境目に押縁(おしぶち)と、天端に笠竹(かさだけ)をかけます。押縁は太さが様々なのでかける順番にコツがあります。

裏の隅の風抜きです。

竹を洗い、押縁が完了しました。

裏の出入り口の杉皮垣(一二三張り)を作ります。

筧を作ります。中の節が見える場合はノミで加工します。

参考  筧の作り方

文字垣の「サ」の字です。文字部分を押縁で表現します。

「サトル」の文字と杉皮垣が完成しました。因みに「サトル」は上の写真で製作中の当研究室の杉田の名前です。

更に竹垣手前にコケを貼って、白砂を入れます

建物を隠すための、ヨシズを取り付けます。

今回はこちらで終了です。今回は単管パイプと垂木を使用した工法としましたが、場所や竹垣の種類等によって最適な工法を選択します。次回、「日本庭園の作り方 その5」は網代袖垣と市松垣の製作となります。

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十川 洋明(トカワ ヨウメイ)

17歳で庭の世界へ飛び込み、その素晴らしさに魅了されました。造園会社数社で修行を積み、1996年に「作庭処 彌右エ門」(現 十川日本庭園研究室)として独立。以来、個人邸の作庭工事を手がけながら、古庭園に興味を持ち京都を初め全国の庭園を見てまわり研鑽を積んでいます。千葉県山武市在住。

 

<主な経歴>
1998年 重森三玲記念館庭園施工
1999年 靖國神社神池整備工事参加
2001年 靖國神社苑内常駐管理責任者
2004年 中国蘇州市に日本庭園施工

 

通常業務以外に日本庭園の古式工法の検証及び技術指導・講演も行っております。詳しく公開されることがなかった技術を、様々な方々にご提供できればと考えております。ご質問・ご相談等、お気軽にメールにてお問合せください。

 

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