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【小さな日本庭園】〜五坪からつくる小庭〜その5(仕上げ編)

小さな日本庭園 小庭の作り方

十川日本庭園研究室です。
前回は竹垣の製作過程をご紹介いたしました。今回はその仕上げ編です。水琴窟周りや敷石付近の洗い出し、苔貼りや飛石の調整等を行って仕上げていきます。特に敷石周りは前回(25年前)に施工した部分ですので、今回新たに洗い出しを行って今回施工した部分との連続性を保ちます。

仕上がりの状態は下記の記事でご確認ください。

参考 こちらは和琴庭の紹介記事です。

①細部洗い出し・飛石調整

水琴窟はゴロタ石と化粧砂利の中が透けて見えるので、洗い出しを行います。

また、犬走りの敷石側面も基礎との調和のため洗い出します。

鏝で塗りつけた後、表面の灰汁をスポンジで吸い取ります。洗うタイミングが大切です。早いと強度が落ち、遅いと表面の石が出ません。

作業中に動いた飛石を最終調整します。

飛石の上下は手の感覚と体で覚えます。前項でも述べた通り、自分の眼が一番正確です。

②苔の貼付け

コケの繁殖した畑の土を使います。コケは道路際に生息しているものや、ご近所様から頂いたものを使用します。
前にも述べたようにコケはその地域・環境で繁殖したものは枯れません。

化粧砂利とコケの間に同じ石質の縁石を据えますが、後の修理を容易にするためセメントは使いません。良く土をたたき締めます。

コケを貼り付け、良くたたき締めます。施主様のお孫様も自主的にお手伝いいただきました(笑)

コケは試験的に三種類を混ぜ合わせます。残ったものが環境に適しています。

雨樋の塩ビ管を、ガスバーナーで焼いた竹に銅線を使い覆います。焼きすぎに注意。

塩ビ管には、銅板や竹を巻き付けます。

③筧の仕上げ

竹垣の表と裏側から穴を開け、水琴窟に落とす横樋の位置を調整します。

水琴窟はゴロタ石で音の最終調整をしましたが、周辺道路の車の走行音が大きく音量に問題があるため、最後に瓶の穴を二か所、三か所と増やしました。

石臼を据え付けます。 微妙に高さと大きさを変えるのがコツです。

下地に川砂を敷き、化粧砂利を均します。川砂の上に厚く化粧砂利を撒くと草が生えづらく、また草取りが容易です。理科のフラスコ実験と同じで、砂利や小石は大きいものが上に上げり、小さいものが下になります。

④袖垣の製作・設置

参考 網代袖垣の作り方についての記事です。

最後に奥のブロック塀を隠すための袖垣を作ります。

設置した裏側の竹垣のデザインに、重ならないようにするとバランスよく見えます。

袖垣の裏側です。

防腐剤を塗り、押縁をかけて完成となります。

計五回に渡りご紹介した「小さな日本庭園」の製作過程のご紹介はこちらで終了です。日本庭園といういうと、大きなお屋敷にある広いスペースでしか作れないというイメージがありますが、決してそんなことはありません。
限られたスペースであっても、個性的で、心地良さを感じる庭を作ることは充分に可能ということをお伝えするために記事を投稿しました。ご興味のある方はメールでお問合せください。閲覧いただきありがとうございました。

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代表・作庭家紹介

十川日本庭園研究室 十川洋明

十川 洋明(トカワ ヨウメイ)

17歳で庭の世界へ飛び込み、その素晴らしさに魅了されました。造園会社数社で修行を積み、1996年に「作庭処 彌右エ門」(現 十川日本庭園研究室)として独立。以来、個人邸の作庭工事を手がけながら、古庭園に興味を持ち京都を初め全国の庭園を見てまわり研鑽を積んでいます。千葉県山武市在住。

 

<主な経歴>
1998年 重森三玲記念館庭園施工
1999年 靖國神社神池整備工事参加
2001年 靖國神社苑内常駐管理責任者
2004年 中国蘇州市に日本庭園施工

 

通常業務以外に日本庭園の古式工法の検証及び技術指導・講演も行っております。詳しく公開されることがなかった技術を、様々な方々にご提供できればと考えております。ご質問・ご相談等、お気軽にメールにてお問合せください。

 

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