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【小さな日本庭園】〜五坪からつくる小庭〜その4(竹垣編)

十川日本庭園研究室です。
前回は和琴庭の水琴窟と石組みの製作過程をご紹介いたしました。今回はその竹垣編です。竹垣は敷石のデザインに影響を受けたもので、三面各8マスに縦・横・斜め45度(左右)の四方向に貼り込んだ竹の向きを全て隣り合わない形の創作垣となります。竹垣の中央を内側へ織り込むことで、室内に涼風が吹き込むように計算しています。又、デザイン上のアクセントとして、一部の庭石に対しては竹垣を掛け、接する面の割竹を石の輪郭に沿って切削しています。

【この竹垣の特徴】

・幾何学デザイン(和の伝統的意匠)
・庭石の形に割竹を切削(デザイン上のアクセント)
・風の吹込み方向を計算する(中央部を織り込む)

参考 こちらは和琴庭の紹介記事です。

①土台の設置

ブロック塀が見えないように、竹垣の柱となる単幹パイプを設置して垂木止めクランプで垂木を据え付けます。

強度的に問題無いので、続けて土留めに瓦を設置します。以前施工した雨落ち溝として使用した瓦も、セメントを使用しなかったので流用することができました。

裏に砂利を入れて均します。

柱と垂木の設置が完了しました。

次に竹垣貼付け用のコンパネに防腐剤を塗っておきます。今回はコンパネを使用した創作垣となります。

今回の竹垣は庭石に合わせて切り込みを入れるので、予め段ボール紙で型を取ります。

型取りしたコンパネを設置します。多少隙間が空いていても、後から割竹を貼る際に、調整して合わせるので問題ありません。

裏側です。やや強度に問題があったので、単幹パイプを増やし追加で補強します。

打ち込めない箇所にはモルタルを打ちます。

弱い部分は裏から垂木で補強します。

②割竹の貼付け

貼り付け用の割竹を作ります。今回は幾何学的なデザインでたくさんの割竹を使用しますので、予備も含めて必要量を準備します。

参考 竹の割り方についてはこちらから。

丸ノコで加工します。

状態の良くない材料は裏側で使用します。

竹垣のデザインは方眼紙を使い机上で作成後、現場で下地に直接書き込み、竹を貼り付けます。設計のポイントは石との当たり面から始めることです。石の面に対してなるべく直角に組子が当たる方が綺麗に仕上がります。

西側一面のマスは、縦と横の構成です。

中央二面のマスは、斜めの線が入ります。

隣り合う竹の貼る方向が、重複しないようにデザインしました。

東側三面のマスは、鉤の手型にしました。

竹を切る時期が8月と、タイミングが良くないので、水の遠い山上から切り出した古い竹を使い防腐剤を塗ります。因みに、過去に10年持たせたことがあります。また、防腐剤は色変わりしてからが良いとされていますが、私はあまり差が無いように思います。先ずは庭石を汚さないように養生しておきます。

押縁用の竹を加工します。

隅の縦押縁を削ぎ落としに加工します。

仕上げにカンナを使用すると、綺麗に仕上がります。

参考 押縁・笠竹の加工と取付けについてはこちらから。

天端に押縁をかけます。狭い庭ほど目が近いので、細部を丁寧に合わせます。

ビス隠し用の薄い押縁を加工します。

ビス隠しは、貼る順番が重要です。

狭いところは特殊工具を用います。

順次、貼り付けて行きます。

貼り付けが終わりました。

③仕上げ

更に防腐剤を塗り重ねます。

縦押縁の削ぎ落としです。

余った材料は裏側に貼り付けていきます。

単幹パイプを割竹で隠すため、クランプのネジ部分をサンダーで削ります。

割竹をかぶせます。

最後に天端に笠竹をかけます。

装飾で黒竹を使用して扇面のアソビを入れます。こちらは東側ですので、日の出のイメージです。西側には日の入りのイメージで同じものを取り付けました。

今回はこちらで終了です。次回の仕上げ編に続きます。

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代表・作庭家紹介

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十川 洋明(トカワ ヨウメイ)

17歳で庭の世界へ飛び込み、その素晴らしさに魅了されました。造園会社数社で修行を積み、1996年に「作庭処 彌右エ門」(現 十川日本庭園研究室)として独立。以来、個人邸の作庭工事を手がけながら、古庭園に興味を持ち京都を初め全国の庭園を見てまわり研鑽を積んでいます。千葉県山武市在住。

 

<主な経歴>
1998年 重森三玲記念館庭園施工
1999年 靖國神社神池整備工事参加
2001年 靖國神社苑内常駐管理責任者
2004年 中国蘇州市に日本庭園施工

 

通常業務以外に日本庭園の古式工法の検証及び技術指導・講演も行っております。詳しく公開されることがなかった技術を、様々な方々にご提供できればと考えております。ご質問・ご相談等、お気軽にメールにてお問合せください。

 

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