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流れ護岸石組(ながれごがんいわぐみ)について その1

十川日本庭園研究室の十川です。今回は三話連続の二回目。前回と同じ現場で、流れ部分の護岸工事についてご紹介いたします。前回は石橋を架けました。前回の記事は下記リンクよりご覧ください。

コンクリートで固めた石が動き、木杭が腐ることで、周りの土が崩れ始めた事から、護岸修理を行いました。工法は、クレーンが入らないので小型ユンボとチェーンブロックでの作業です。石はカマセ石と砕石やグリ石を使うことで、水の中でも組むことができます。今回も古式工法に則り、セメント、モルタル等は一切使いませんので、今後、皆様の参考にしていただければ幸いです。

※ご相談やお問い合わせについては、メールフォームからお願いいたします。

現状確認・石材準備

施工前の状況です。

石の搬入です。大きな石はそれなりに重量がありますので、施工は容易ですが、小さな石は技術が必要です。

堰を切って泥を流します。

石を割ってカマセ石を作ります。カマセ石は、御影石などの花崗岩が適しています。

護岸石組み

既存の石を固定して、護岸を組んで行きます。

前の石やコンクリートを撤去します。

組み終わった所から、土を戻します。

護岸の線に沿って掘削します。当初はユンボで掘っていましたが、地盤が荒れるためスコップで掘ります。

石が小さいので、大きなカマセ石を使います。

裏側にグリ石を入れます。

土が入り込まないように、隙間を埋めて行きます。

必要であれば埋め戻した部分にも、後からグリ石を入れます。

仕上げ・完成

土を埋め戻して、石を洗って完成です。

修理部分の景観

奥は修理前

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代表・作庭家紹介

十川日本庭園研究室 十川洋明

十川 洋明(トカワ ヨウメイ)

17歳で庭の世界へ飛び込み、その素晴らしさに魅了されました。造園会社数社で修行を積み、1996年に「作庭処 彌右エ門」(現 十川日本庭園研究室)として独立。以来、個人邸の作庭工事を手がけながら、古庭園に興味を持ち京都を初め全国の庭園を見てまわり研鑽を積んでいます。千葉県山武市在住。

 

<主な経歴>
1998年 重森三玲記念館庭園施工
1999年 靖國神社神池整備工事参加
2001年 靖國神社苑内常駐管理責任者
2004年 中国蘇州市に日本庭園施工

 

通常業務以外に日本庭園の古式工法の検証及び技術指導・講演も行っております。詳しく公開されることがなかった技術を、様々な方々にご提供できればと考えております。ご質問・ご相談等、お気軽にメールにてお問合せください。

 

プロフィール詳細

 

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