流れ護岸石組(ながれごがんいわぐみ)について その1
十川日本庭園研究室の十川です。今回は三話連続の二回目。前回と同じ現場で、流れ部分の護岸工事についてご紹介いたします。前回は石橋を架けました。前回の記事は下記リンクよりご覧ください。
コンクリートで固めた石が動き、木杭が腐ることで、周りの土が崩れ始めた事から、護岸修理を行いました。工法は、クレーンが入らないので小型ユンボとチェーンブロックでの作業です。石はカマセ石と砕石やグリ石を使うことで、水の中でも組むことができます。今回も古式工法に則り、セメント、モルタル等は一切使いませんので、今後、皆様の参考にしていただければ幸いです。
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目次
現状確認・石材準備
施工前の状況です。
石の搬入です。大きな石はそれなりに重量がありますので、施工は容易ですが、小さな石は技術が必要です。
堰を切って泥を流します。
石を割ってカマセ石を作ります。カマセ石は、御影石などの花崗岩が適しています。
護岸石組み
既存の石を固定して、護岸を組んで行きます。
前の石やコンクリートを撤去します。
組み終わった所から、土を戻します。
護岸の線に沿って掘削します。当初はユンボで掘っていましたが、地盤が荒れるためスコップで掘ります。
石が小さいので、大きなカマセ石を使います。
裏側にグリ石を入れます。
土が入り込まないように、隙間を埋めて行きます。
必要であれば埋め戻した部分にも、後からグリ石を入れます。
仕上げ・完成
土を埋め戻して、石を洗って完成です。
修理部分の景観
奥は修理前
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