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大津垣(おおつがき)の作り方(車止め) 

大津垣

十川日本庭園研究室です。
今回は車止めの作り方を紹介します。初心者にも分かり易く、写真を多く掲載しました。この大きさであれば、トラックが無くとも乗用車で材料を運ぶことができます。更に、ベースとなる木枠を防腐剤で長持ちさせ、竹を頻繁に交換することでいつもきれいに見えます。寸法については、竹は元から末まで場所によって曲がり具合が異なります。竹の曲がり具合を確認しながら、割間を計算してください。また、寸法を入れると面白くありませんので、好みで試行錯誤して頂ければ幸いです。

材木の加工

材料は二寸五分角(7,5cm)、三寸角(9cm)の角材、垂木(たるき)と真竹(まだけ)の肉の薄い中間部分です。訂正しました

材木の加工を行います。差し金を使うと便利です。

切った面をノミで加工します。

ホゾ穴はドリルで穴を開け、ノミで加工します。深く入れた方が、強度が増します。

垂木を加工します。

柱を加工します。天端(てんば)部分は、ノコギリで切り、ノミで削ります。太竹(ふとだけ)がかぶるように加工します。

柱の組立て

柱を差し込み、組み立てて行きます。控え柱(ひかえばしら)や組み合わせた部分はすべてビス止めします。

柱が開かないように天端を止めます。

焼き付け

バーナーで焼き付けます。一皮むくことで細部の粗さが目立たなくなります。
注意この焼き方はあくまで化粧ですので、焼きすぎずにタワシで水洗いした後に防腐剤を塗ります。

竹の加工

竹を真鍮(しんちゅう)ブラシで洗います。

竹は末から割ります。ナタが常に円の中心に来るようにします。

組子(くみこ)は両面二枚合わせなので、節の裏を削り薄くします。

ナタや切り出しナイフ(繰り小刀)を膝上に固定して、竹を引いた例

カンナを使った例

横桟(よこざん)を選びます。太すぎると組子に押されて横桟がたわむので注意

ドリルで穴を開けて、ビス止めします。

節があまり出ている場合は加工します。

太竹の笠を加工します。チョークラインと赤鉛筆で墨出しをしたら、ノコギリ、ホルソー、ノミ、ペンチなどを使い加工します。

節の部分は注意しながら丁寧に。

組子・笠竹の取り付け

組子を交互に取り付けて、笠竹(かさだけ)をかぶせます。

針金を使った例。

垂木にビス止めした例。

仕上げ・完成

適切な幅にカットします。

手や着物等に傷が付かないように、紙やすりをかけます。

完成です。

各竹垣の実践的且つ具体的な工法については下記よりご覧ください。

四ツ目垣

建仁寺垣


大津垣


御簾垣

桂垣

創作垣

筧(かけひ)

枝折戸(しおりど)

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代表・作庭家紹介

十川日本庭園研究室 十川洋明

十川 洋明(トカワ ヨウメイ)

17歳で庭の世界へ飛び込み、その素晴らしさに魅了されました。造園会社数社で修行を積み、1996年に「作庭処 彌右エ門」(現 十川日本庭園研究室)として独立。以来、個人邸の作庭工事を手がけながら、古庭園に興味を持ち京都を初め全国の庭園を見てまわり研鑽を積んでいます。千葉県山武市在住。

 

<主な経歴>
1998年 重森三玲記念館庭園施工
1999年 靖國神社神池整備工事参加
2001年 靖國神社苑内常駐管理責任者
2004年 中国蘇州市に日本庭園施工

 

通常業務以外に日本庭園の古式工法の検証及び技術指導・講演も行っております。詳しく公開されることがなかった技術を、様々な方々にご提供できればと考えております。ご質問・ご相談等、お気軽にメールにてお問合せください。

 

プロフィール詳細

 

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