頬杖支柱(ほおづえしちゅう)の作り方
十川日本庭園研究室です。皆様からのご要望につき、支柱の掛け方を紹介いたします。私が若い頃、どこの誰に何を習っていいのか解らずに悩んでいたころを思い出し、原稿を打ちました。今後の造園業の方々のお役に立てれば幸いです。
目次
①はじめに
杉山をキレイにしよう計画
今回は、頬杖支柱の作り方を紹介します。支柱には、八ツ掛け支柱、鳥居支柱、一本支柱など種類は様々です。移植後の樹木は台風などの影響により、細根が切れることで、水分や栄養分が葉まで行き渡らずに衰弱します。
従って、支柱をかけることは倒木の被害を防ぐとともに、枝枯れを防ぐ効果もあります。三十年前に教わった技術なのでご存じの方も多いと思います。また、倒れた木はクレーン等でそのまま起こすと、細根が切れるのでご注意ください。特にサクラ等はそのまま起こしますと、ほとんどが枯れてしまいますのでご注意を。
②ヒノキ丸太の加工
柱の上下の見分け方は、旋盤加工されたものは、小口の赤みが多いほうが下(モト)です。焼き丸太や赤みが判らないときは、中央を吊り上げて重いほうが下です。
チェンソーで柱の先端を三角に切り込み、丸く削ります。
チェンソーで円を描きながら削る
切れ端を合わせて確認します。
カスガイよりもあたりが重要
ビス止めしますが、あくまで仮止めです。
両側、四か所カスガイを打ち込みます。
表裏2箇所ずつ、計4箇所で固定します
防腐剤を塗布します。
③立込み
下げ振りやスタッフを使い、穴を掘ります。枝や幹のあたる部分にスギテープを巻き、棕櫚縄で結束します。時間がたつと枝が下がるので、養生テープや杉皮などはとにかく厚いほうが良いです。周りに笑われるくらい厚くします。
ポイントは地盤が緩いときは下がらないように柱の下に石をはかせます。さらに、砕石や砂利などで突き固める事で強度が上がります。また、柱周りの地盤を高くして、水はけを良くすると長持ちします。根元から腐りますのでご注意を。
地中内の写真
今回はこちらで終了です。
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