四ツ目垣の作り方(胴縁四段吹き寄せ)
十川日本庭園研究室です。今回は四つ目垣の工法について簡潔にまとめましたので、参考にしてください。また、シンプルな垣根ですから、材料の選別や細部が解りますので写真をよくご覧ください。質問等はメールにて受け付けております。連日、多くの方々に閲覧していただきましたので、写真を追加いたしました。竹藪が整理されるとともに、皆様の今後の作業でお役に立てれば幸いです。
解説に入る前にお知らせです。YouTubeに「移動式四ツ目垣」の製作動画をアップいたしました。本記事を補足するものです。下記リンクより是非ご覧ください。(音声カットで字幕を出して、好きな音楽で楽しむことも出来ます)
目次
【YouTube】 日本庭園の作り方#010 移動式四ツ目垣の作り方
動画を閲覧いただきました皆様、ありがとうございます。動画内で棕櫚縄の話をしましたが、私は棕櫚縄を水につけずに使ったことはありません。あくまで初心者が周りを汚さないための配慮と思ってください。普段はしっかり乾かしてから使用していますので、後は皆様の判断でお願いいたします。
本編は下記からとなります。
①親柱の立込み
地盤の高低差と距離を測り割間(わりま)を計算し、内径立子(たてこ)の芯の外側に親柱(おやばしら)を立てます。水糸は胴縁の太さ分ずらします。
②間柱と胴縁
立子の天端(てんば)と胴縁(どうぶち)の位置に水糸を張り間柱(まばしら)を立てます。
水糸は胴縁(竹)の太さ分ずらす
親柱の内径を全体の長さで割り振ります
間柱の位置は正確に
割間を赤鉛筆で印をします
中央にチョークラインで印をして親柱にホゾ穴をあけます。
ホゾ穴に合わせ竹を削ります。
親柱にすべて元口の胴縁をさしこみ、ドリルで穴を開け、釘またはビスで止めます。
釘は釘ジメを使用
柱に竹を差し込む事で、強度が上がりすっきり見えます。
末口どうしのつなぎは中に細竹を入れて印籠継(いんろうつぎ)にします。
胴縁がぶれないよう隙間なくつなぐ
胴縁のゆがみをひも、または間に竹を入れて調整し、結束(けっそく)後、立子にビス止めをします。竹どうしはビスで止まります。
一番上に曲がりの無い良い竹を使う
釘を使用するときは、柱が曲がるのでご注意を
普段から目で見る感覚を大切に
③立子
立子を太い順に割り振り、足や頭で押さえながら下から棕櫚縄(しゅろなわ)で結束します。棕櫚縄は水につけると伸び、乾くと縮みます。
立子も全体の長さを等間隔で割り振ります
立子を太い順に並べます。
何処にどの竹を使うかがポイント
結束は下から
立子の太さに差がないと見栄えが良い
立子の二本合わせは組み合わせ方が重要です。節をそろえずに竹の正面をずらすのがコツ。
相性の良い竹を合わせる
立子を裏側も結束します。
二本合わせは、縛り方にコツがあります。
打ち込みながら結束
立子を全て真っ直ぐに調整した後、横ぶれしないように胴縁の上から三段目をからげます。立子は上下に動くことはありませんが、左右には動きます。地面に打ち込めない場合は二か所からげます。
からげる前に立子の微調整を
カラゲの繋ぎは柱前や胴縁の下など見えない位置で
結束の細部
からげの細部(カイヅル)
④完成
その他の竹垣の実践的且つ具体的な工法については下記よりご覧ください。
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