大津垣の作り方 その2(一二三 横張り)
十川日本庭園研究室です。竹林をきれいにしよう計画です。
今回は大津垣の作り方その2をご紹介します。大津垣の縦張りは見る角度によって奥が透けて見えますが、横張は目隠しに適しています。
細部をわかりやすく、曲がり角について写真を多く掲載しましたので、ご参照ください。前項の「大津垣(おおつがき)の作り方 一二三(ひふみ)張り」でも述べたように、この垣根は材料の組子の善し悪しが解りづらい垣根なのでお勧めです。また、何処にどの竹を使うかで見た目が変わります。
なお、若い頃から一番苦労した竹洗いを何とか短縮できないかと実験を重ねた結果、現時点ではキッチンハイターが一番良い方法だと思い掲載しました。この工法は竹を組んだ後に洗えるので無駄がなく、女性や子供でも簡単にできます。また、当初は長持ちしないのでは?と思っていました。しかし、自宅をはじめ何度も使用したその後の経過で5年以上は持つようです。防腐剤と合わせてご使用ください。
今後、竹林整備とともに皆様の作業の参考になれば幸いです。
尚、本年(令和3年)4月24日(土)に初級の竹垣講習を開催することとなりました。ご興味のある方は下記リンクよりご参照ください。
参考
大津垣(おおつがき)の作り方 一二三(ひふみ)張り
目次
①柱の立て込み
穴を掘り、柱を立て込みます。
予期せず水道管が出てしまったので、添え木をあてて柱を加工します。柱どうしは、竹では強度に問題がありますが、垂木を横に組むことで強度を上げます。
柱の天端は後から切ります。
柱に垂木をあてます。
曲がりの角は縦の垂木を2本あてますが、後程、太い押縁で隠します。
②組子の仮止め
組子を仮止めして、割竹のしなりとバランスを確認します。今回は正面が1枚、右側が2枚、左側が3枚の構成です。
正面1枚の細い組子です。ポイントは、竹の幅が色々ですので何処にどの竹を使うかです。
細部の状態です。
③組子の加工・取付け
どの幅の竹をどこで使うか選別しながら加工します。
右側2枚の組子はやや太めを用います。
裏から見た組子です。
正面1枚の細い組子と、左側3枚の太い組子です。
正面1枚が組みあがりました。
正面1枚の裏側です。
左側、3枚の組子です。
柱と垂木の狭いところはクリコガタナで加工します。
④仕上げ・完成
竹を洗います。今回は作業効率の良い、キッチンハイターで汚れを落とします。過去に自宅をはじめ、何度か実験しましたが確実に5年以上は持ちます。コツは乾いている方が良く汚れが落ちます。さらに、一年後に防腐剤を塗りました。
汚れの多いところは、やわらかい真鍮ブラシで落とします。
水洗いのコツはタイミングです。時間がたつと汚れが染みつくのでご注意ください。
最後に、縦押縁、横押縁をかけて完成です。押縁の掛け方は「大津垣の作り方(一二三張り)」を参照してください。
⑤おまけ
杉田のミニチュアと袖垣、花入です。日頃から遊び心がモチベーションを上げ、デザインおよび、技術向上に役立ちます。
ホント好きですねえ(笑)
一枚張りです
三枚張りです
お寺様の玄関わきに設置した一面一二三の袖垣です。
杉田、得意の花入れ(笑)
何個作ったか(笑)
お施主様に花を活けていただきました
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