茅の輪の作り方
十川日本庭園研究室です。今回は茅の輪の作り方を解説いたします。
茅の輪とは神社で大祓をする年中行事で、輪の中を三度回ることで清められると言われています。様式はその地方や神社によって異なります。
あまり日本庭園とは関係が無いと思われるかもしれませんが、作業工程および美的感覚は共通することが多いので、門松同様に庭師の方はご理解できる内容かと思います。
茅の輪の作り方は YouTube動画でも解説しています。ご参考にしてください。
目次
①部材の準備
真竹と茅(ちがや)を用意します。
刈り取り束ねた茅。
丁寧に選別して小束にします。
②茅の巻きつけ
今回は塩ビパイプに巻き付けますが、本来は割竹を束ねたものや、竹をあぶって曲げたものを使います。
植木の藁(わら)幹巻き同様、刈り取った茅の元の上に穂先を重ねて行きます。
縄などで仮止めします。
穂先に向かって時計回りに藁縄を回します。
仮止めを外しながら巻き付けて行きます。
③竹洗いと艶出し
竹を中性洗剤とシンチュウブラシで洗いサラダ油を塗ります。 油を塗るとツヤが出て綺麗です。
④立て込み
穴を掘り、四方に太竹を立て込みます。正面から見て真っ直ぐ立てるのがコツです。
荒縄で茅の輪を取り付けます。茅の輪の結び目を見せないのがコツです。
強度を上げるため天端に太竹を添え付けます。横竹は鳥居同様、向かって右が元です。竹はすべて節止めにしましたが、長持ちさせるものではないのでこだわらなくても良いと思います。
若竹(細竹)を取り付けます
竹垣同様、何処にどの竹を使うかがポイントです。
若竹(細竹)の枝先が内側に向いていると感じが良くなります。
竹どうしの結束部分です。
青々した茅と真竹
⑤仕上げ・完成
注連縄を回します。南向きとは限りませんので、向かって右奥から時計回りに上に上にと回します。
紙垂を付けて完成です。
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