石橋を架ける ~玉澗流(ぎょっかんりゅう)~
十川日本庭園研究室の十川です。今回は、既存の瀧の上に石橋を架ける工事をご紹介します。その後の回では連続する流れの護岸工事についてもご紹介いたします。
瀧の上部に橋を架けることは、日本庭園では玉澗流(ギョッカンリュウ)と呼ばれています。尚、瀧が東側で、本尊が薬師如来ということで、瑠璃光橋(ルリコウバシ)と命名いたしました。
工法は、現場にクレーンが入らないので、小型ユンボとチェーンブロックでの作業になります。古式工法ですので、セメント、モルタル等は一切使いません。皆さんの今後の参考にしていただければ幸いです。
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目次
現状確認・石材の準備
使用する石橋です。
土手から滑り落とします。
コンパネを敷き、ユンボで引きます。方向は、大バールで調整します。
施工前の瀧上部です。
堆積した土を掘り起こすと、前の石が出てきました。
護岸石組み
カマセ石を打ち込み護岸を組みます。
石橋を仮置きして、景観を見ます。
既存の石組と同系統の鳥海石(チョウカイセキ)を使います。
石橋を移動して、護岸を組んで行きます。
カマセ石の周りは砕石を突きこみます。
石橋下の台石を加工して、合端を良くします。
自然石の台石上に、石橋をのせます。
石橋が下がらないよう強度を上げます。裏側の見えない所に、土留めを兼ねて切石を入れて砕石で突きます。
全体に砕石を撒いて突きます。
石橋下の部分です。
橋の裏側も、護岸を組みます。
地盤の高さまで、石を組み上げて行きます。
「橋挟み石」を据え付けます。別に橋添石(ハシゾエイシ)とも呼びます。
裏側からの景観です。
仕上げ・完成
裏のパイプ等をボク石で隠します。
流れ部分に防水シートを敷き、那智黒石を入れて完成です。
瀧の景観
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